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第八回目 堀哲也さん

堀哲也さん


<プロフィール>
ドイツベルリン在住作曲家。
1980年北海道札幌市生まれ。

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CD

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きらきーら堀哲也さんにインタビューきらきーら

僕の生きるテーマは「楽」
攻撃的にいっても仕方ないですから(笑)

穏やかな雰囲気のカフェで、ビールを飲みながらそんな風に語ってくださった今回のゲストは、作曲家堀哲也さん。作品の多くが、実験音楽とよばれるジャンルのもので、現在ではドイツ国内だけでなくニューヨークやアメリカでも高い評価を受けておられます。自分の作品をまず自ら楽しむ姿勢が印象的な堀さん。さてでは、どんな経緯でここドイツという地に訪れ、どんな音楽とどんな風に向き合って生きていらっしゃるのでしょうか?彼の作品にも触れつつご紹介して参ります。

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田中: ではまず、ドイツに来られたきっかけを教えていただけますか?

堀: 音大の先生がベルリン芸術大学に留学していたことで、普段よくドイツの話を耳にしていたからでしょうか、直接はドイツでのコネクションもなかったのですが、とにかく留学して大学で勉強したいという思いが強かったことを覚えています。ですから、大学を卒業した後は迷わず「ドイツ音楽留学」を進路として決めることが出来ました。

田中: 実際にドイツに来られてからは、どの様な勉強をされましたか?

堀: 入試を受けること前提だったので、まず大学の先生のレッスンを受けました。
しかしいつ頃からか、その先生と自分の中にある音楽的方向性の違いを感じてしまい、色々悩んだ結果、「大学はどこまでいっても大学。せっかくドイツまで来たんだからのびのびやろうじゃないか!」と吹っ切れて、大学受験も考えなくなりました。で、結局この気持ちが、個人で活動を始めるキッカケとなったのですが。

田中: 何でも最初が一番難しいとは思うのですが、個人で活動を・・・というのは具体的にどのようにして始められたのですか?

堀: 「ゆっくり無理せずやろう。でも、とりあえず語学は勉強しよう(笑)」そんな風に思って、語学学校に通い、毎日のように外国人の友達と遊んでいました。そうする内に自然と語学力も身につきましたし、やっぱり遊びながら学ぶことが一番上達が早いと実感しました(笑)
で、いつもの様にブラブラしていた時、ちょうどアーティスト数人が展示会をやっており、ふらっとその会場へ入ったんです。その中には日本人や音楽家もいて、聞くとベルリンに来て1年くらいのフレッシュなアーティスト達。そしてその展示会をやっとの思いで実現させたことを知りました。僕と同じ気持ちの人がいるんだと思い、自分も発表の場所が欲しいんだという気持ちを伝えました。彼らは「じゃ、やりたい人たちだけでやろうよ!」と言い、展示会兼コンサートに向けて準備を本格的にスタートさせました。

ただ、どうやって会場を探すのか?セッティングの手順が全く分からなかった。
どうしようか・・・と考えた結果、メンバーの中に比較的大きな部屋に住んでいる人がいて、ちょうどピアノもあったので、まずはそこから月1回のペースでその展示会兼コンサートを始めました。
絵画、写真、オブジェクト、音楽、映像・・・様々なアーティストと共に、アパートの屋根裏部屋までもうまく利用しました。

田中: お客さんの反応はどうでしたか?

堀: 全く個人の展示会で、しかもアパートの一室でやってる小さなものにも関わらず、不思議と街に住む見ず知らずの人たちが、これまた結構集まるものなんです。こういうところが、ドイツ・ベルリンの魅力だと感じています。こちらの聴衆がコンサートなどで重要視しているのは、アイデアやコンセプトだと思うんです。決して見せかけの完成度を見ているのではないということが分かりました。日本では、お金を掛けないと皆聴きに来ないけど、ドイツではそんなことはどうでもいい。そんなことしなくったって、自然に街の人が聴きに集まるものなんです。

田中: 堀さんの演奏会の中で面白いと思うコンセプトは何ですか?

堀: あまり作曲家って自分で演奏しないのですが、ちょっとそういう機会を作っても良いんじゃないかなと思って、お客さんの前で自分の作品を自ら演奏したりしています。演奏者側に立つと会場の雰囲気が更に感じ取れますし。作品の例を出すと、コップを使った演奏です。

田中: えっ?コップですか?どの様に演奏に使うのですか?

堀: コップに水を入れて、ストローやピアニカのホース口を使ってそれを吹いたりするんです。
ドレミのような音名は書けませんが、譜面にはもちろん文字も記号も使います。音の高低やダイナミックス、奏法を書きます。その音をマイクを通してラップトップで加工させたりします。

田中: それはまた斬新な発想ですね。

堀: リズムもあったりなかったり。ここ数年今言ったようなマイクとラップトップを使った作品を書いています。

田中: そういったアイデアってどういう時に出てくるのですか?

堀: カフェとか公園のベンチですね。最終的に譜面にまとめる時は自分の部屋で静かに行いますが、アイデアなんかは、のんびりゆっくりしている時の方が出やすいものです。

田中: どういったキッカケでこう言ったジャンルの作曲を始めたのですか?

堀: ある時「楽譜の限界」というものを感じたことがありました。
例えば本もそうだと思うんだけど、エッセイとか自伝では、自分にとって都合の悪いことはあんまり書かないし結構美化して書くじゃないですか。ドラマチックに書いてることが多くあると思うんです。でも読み手は100%信じてそれを読んじゃう。楽譜も同じで、人次第で内容に嘘がいっぱいになるんです。
古典の楽譜なんてどこまで理解して信じればいいのかハッキリしない。
そういう意味で「楽譜の限界」を感じるようになりました。
それからは、楽譜上で真実を追求するよりも、ライブで音になることを大切に思って作品を作るようになりました。とにかく、音程とかリズムじゃなく音質や音響にこだわって書くんです。それで出会ったのが今携わっている音楽です。

僕の作品を「理解できない」という人はいるし、「えっ?何あれ?」なんてマユをしかめる人もいます(笑)
こちらの大学の先生にレッスンを受けていた時は、楽譜を見せると必ず「もっと音符を書き込まなきゃ!」とか言われて。でも僕は、自然で重要だと思うことだけ押えて、後は生活同様もがかない!(笑)
譜面は最低限に伝えるものだと思ってます。後は演奏の際に自由に演奏すれば良い、と。

ドイツに来てから、よりこんな風に思うようになった気がします。
ゆったりした生活の中で自然に身を任せて生きる。
とか言って、今日晴れてるからこんな事言ってるだけかもしれませんけど(笑)

田中: 「堀さんそのまま」という感じで、安心します(笑)ところで、譜面には最低限のことだけ書かれると仰いましたが、実際演奏家に演奏してもらう際、自分の思ってた作品と違うということが多いのではないですか?

堀: 昔はリハーサルもやっていましたが、今はほとんどを演奏家自身に任せてあります。
僕はお客さんと一緒に演奏を聴いて、反応するんです。
演奏家が違えば曲造りも違うし、「そうきたか!」なんて新たな発見をするチャンスでもあって、それがすごく楽しんですよ。演奏家は無限の可能性を与えてくれます。

相手に任せるということは、勇気がいることとか自分を出してないっていう人もいるかも知れないけど、こんな面白いことやらなきゃ損!って思っています。

田中: 多くのアーティスト達と活動をされていますが、そういった繋がりはどのように作られていくものですか?

堀: 演奏会を開き、そこに来てくれた演奏家やアーティストから「次、一緒にこんな演奏会しない?」とかアイデアが出る。また次の演奏会でも別のアーティストと出会う。そんな風にして、色んな方々と関わることが出来ているんだと思います。
人との関わりが閉ざされてしまうのはもったいないことです。

田中: これぞ音楽が作り出す仲間でありチャンスですね。

堀: 学生期間が短かったからか、日本では出来ないことをこちらで自然にやってこれた気がします。お客さんから自由に声が掛かって次の演奏会の話がくるなんてこと、日本じゃ想像出来なかった。

今後の留学生や今既にドイツにきて頑張っている学生には、大学などで学ぶことと合わせて、コンサートなど現場で色々と学んで欲しいと思います。ここドイツであれば誰にだってそのチャンスがありますから。お客さんからのフィードバック=意見、感想、反応。とにかく学びは現場で得られます。

会場が小さくても席がいっぱじゃなくても良い。観客の傍で、息の音が聞こえるぐらいの距離のところで学んで欲しいです。またこれが、ドイツにいる醍醐味だと僕自身感じています。

Konzert


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堀さん、貴重なお話をありがとうございました!!

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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2012/09/01(土) 00:00:00|
  2. 作曲

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